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5、3対決 ...
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雨宮家が金沢にある別邸の中で
「深夜にお尋ねして申し訳ございませんが、御堂紫様から、家の力一が雨宮様のところにお世話になっていることを教えられてから、いってもたってもいられなくなり、ここへ力一を迎えにきました。無常識なことをした侘びは、まだ後日に雨宮本家へ伺わせていただきます。」
「えっ、力一は三刀家の人間なんて初耳です、それに、御堂紫様と三刀家はどういったご関係ですか?」と俺は惚ける。
「家門の不幸といえましょう、力一は正真正銘三刀家の子孫です。」なかなか手強いじじだ。
「今日はもう遅いから、力一は眠っているはずです、話は明日、本人の前でしましょう。」
むこうが断ろうとしたこと無視し、小野塚に「お客様を部屋へ案内しろ」と命令し、去っていた。
俺の部屋
「小野塚、力一を助ける方法があるか?」
「むこうは力一様が三刀家の子孫と言い張る以上、力一様を引き止めることはできないと思いますが…」
「それは分かっている、だけど、もし力一がここに居たいと意思表示すれば、強引にここに残させることができるのかと聞いてる。」
「それは、旦那様は許されないと…」
「親父が知っているのか、力一のことを」
「えー、最初からご存知です。旦那様は三刀家のご子息を家に招待することで、両家の親交を深められるから、勝手にしていいって仰いました。」小野塚はいくら俺に忠心しても、やはり親父の手下だ、こんな大きいなことを親父に報告しないわけがない。でもこんな時にそう冷静に考えてやれるほど俺が大人になっていない、裏切られたと決め付けてしまう。
だてに10年も傍にいたことがある、小野塚は俺の考えていることを知っているだろうが、敢えて、彼は口を開く「もし、力一様がここに居たいと言うなら、私は全力を尽くし、引き止めましょう。」
「分かった、力一のところへ行って来る」
小野塚のことは感謝している、彼が傍にいなかったらどうなったか想像もつかない。力一を守ることはこの時の俺にとって背負いきれない重荷としか言いようがない。
力一の部屋
力一の部屋にまだ明かりが点いている、彼が今夜眠れないだろう。
ドアにノックし「俺だ、入るよ」
部屋に入り、力一はまだ長襦袢のままで窓の前に立っていた、外の光景から目を離すのは惜しむように、俺が入る寸前まで眺めていた。
「和紀、迎えが来たね」
「えん、お前はどうしたいか」
「僕はここに居たいと言いたら、君は僕を引きとめようとするだろう。だから、僕は実家に帰るよ。」初めて、力一とちゃんと話せた気がする。だけど、彼の真意は分からない。彼は実家へ帰りたいのか?
今思えば、俺は彼のことを何一つ分からない、彼にとって何か必要なのかも知らないまま、彼を守ろうとしている。
最初だって、紫さんが彼を家で預かりたいと言って、俺が勝手に彼を家に連れただけなのに、今度も、俺は彼が離れていくのは嫌で、彼をここに引き止めてやりたいだけだ。彼の意思なんて俺は全然聞いていない。
彼の気持ちも知りたいけど、本当は彼も実家に帰りたいと言われるのは怖い。
「短い間でしたが、いろいろお世話になりまして、有難う御座いました。」と力一は微笑んでくれたが、その微笑はなんだか悲しかった。
「一つだけ、君はここに…実家に帰りたいのか?本当のことを教えてくれ」もし、彼が実家へ帰りたくないと言ったら、俺は何をしても、それを阻止するだろう。
「僕も分からない、お父様や母は帰ってほしくないみたいけど、い~え、母は今僕に帰ってほしいかな。」理由も教えてもらわず、転々とあちこちへ逃げまわせられた。
「何で理由を聞かなかったか?」
「嫌われたくなかったから」と力一は答える。そうだ、彼は自分が望まれて生まれた子じゃないと思い込んでいるのだ。
「だけど、お前の意思はどうなの、お前は実家へ帰りたいのか、帰りたくないのかを知りたいんだ。」
「先、言ったろう、僕は実家へ帰るって」
そうか、他人の俺より、身内の方がいいに決まっているなあ。
「分かった。明日、長旅になるから、お前はもう休め。」そう言い残って、彼の部屋から去っていた。