《再见，小林璃茉》星野瞳

4、【日语版】さようなら、千夜穂理

　　心電図の冷たく規則正しい音が、残された時間を刻んでいく。窓の外では桜が舞い散り、あのすべてを変えた春と同じように。□□の痛みは遠のき、意識は温かい闇へと沈んでいく。私は最後の瞬間、あなたについての記憶に完全に身を任せる——小林璃茉。

　　騒がしい教室で「初めて」あなたを見た日のことを、今でもはっきりと覚えている。春風に乱れた髪、輝く瞳、そして私がすでに失ってしまった日常への小さな不満——体重についてとか。あなたはそれほど生き生きとしていて、まるで予期せぬ陽光が私の少し冷めた世界に差し込んだようだった。 あなたが私に話しかけてくれたとき、その声の熱さに私は戸惑い、優しくしかし距離を置いたような仕草で応えた。あの頃のあなたは、私が冷たすぎると思っただろうか？

　　あの日の放課後、あなたがよろめきながら私の前を歩いていた。そして、羽のように静かに倒れ込んだ。瞬間、私の心臓は止まったかと思った。駆け寄って抱きしめると、あなたは信じられないほど軽く、顔色は紙のように青白かった。必死に目を開けて私を見つめ、「天使」と笑ったあなた。その瞬間、私の胸に湧き上がったのは単なる心配ではなく、鋭い痛みだった——あなたの葛藤と、自分自身への過剰な責めに対する痛み。病院で眠るあなたの横顔を見つめながら、私は初めて自分の感情を隠さなかった。あなたが目覚めて、不器用に私に上着をかけてくれたとき、私は実は起きていた。あの温もりと涙が、私の心に深く刻まれた。

　　それから私たちの関係は変わった。一緒にご飯を食べ、一緒に帰宅し、友人たちのからかいを聞きながら、頬を赤らめてはしゃぐあなたを見つめた。 「来世は桜になりたい」という、子供っぽくてでも真剣なあなたの言葉。あなたが私の手を握ったときの勇気と、伝わってきた温もりは、私の宝物だった。

　　あなたが言った冬の山頂での願い。あの冬の山頂で、あなたから届いた写真とメッセージは、私が受け取った中で最も甘く、最も残酷な贈り物だった。不器用だけど真摯な願いが書かれた絵馬、夜空に咲いた儚い花火、そして「たとえ私がいなくなっても」という予告。 スマートフォンを握りしめながら、涙で画面が滲んだ。すぐに「桜になんかならないで、私のそばにいてほしい」と伝えたかった。でも私は運命を知っていた。すべての苦しみと限りない愛を飲み込み、ただ「うん」とだけ返信した。

　　今、私は旅立つ時。最後の瞬間、あなたの視点から私たちの短い歳月を歩き直した。あなたの劣等感と努力、明るさと脆さ、「もっと可愛くなりたい」という執着、おにぎりとダイエットの裏に隠された純粋で温かい心。私はようやく理解した。あなたがどれほど無防備な心で私を愛していたかを。 「バカ……」これが私が最後に紡げる言葉。あなたのことじゃない、璃茉。バカなのは私。結末を知りながら、この温もりに溺れ、別れに終わる運命の青春に付き合ってしまった。でもこの溺愛こそ、私の命の終わりに最も貴重な光。最後の涙は温かい。病気の冷たさではなく、あなたへの、私たちの思い出への感謝と愛で満ちている。桜が散り切るとき、私の心電図は水平線になる。でも私の意識は、あなたの視点で体験した「小林璃茉」という一生を抱きしめたまま、永遠の眠りにつく。 さようなら、私の愛しい、不器用で、桜のように輝く璃茉。覚えていてほしい、あの春の日、ジャスミンと柑橘の香りを纏った、優しい私を。