晋江文学城
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2、第 2 章 ...

  •   PUBの音楽が神経に浸食する。若い男女は惜しげもなく情熱を外界に発散させながら、狭いステージの上で思い切り体を揺す。熱は波のように遠慮なく次から次へと覆い被さってきて、私を巻き込もうとする。捕まらないように、私も負けじと生ビールを一杯、また一杯、腹の中に流し込む。薄暗い黄色い液体が目の前を通りすぎては空回り、綿密な無数の泡が密閉空間に閉じ込められて、膨らんでは消え、昇ってはまた消え、繰り返し、繰り返し、ある種の使命を達成するかのように、原点を目指すサークル運動はエンドレスに続く。
      入り口のドアが開いても、閉じても、出入りしている人影は知らない顔ばっかり。表情はそれぞれ違うけど、見慣れたのは一つもなくて、漠然と焦りが背筋に沿って登ってくる。バーテンは慣れた手付きで隣の客にブルーハワイを注いだ。鮮やかな青が何とも言えない苦痛を運んできて、耐えきれずに急いで目をそらしたが、思いもよらず魂魄の半数はすでに吸い取られてしまい、私はただひっそりと座ったまま、手の中の酒と付き添うよりほかなかった。
      PUBのオーナーだけは知り合いだった。カイの友人とはあまり付き合いはなかったが、ケンは少し特別で印象に残っている。長身で寡黙で、いつも端の方に座っていて、横から話しかけたりも、口を挟んだりも決してしない。静かすぎて、時々その存在すらも忘れるほどに。しかし、バーに立った途端、普段蓄積していたエネルギーを一気に爆裂させるかのように、異常にまぶしい。
      カイに聞いたことがある。二人の性格があんなにも正反対なのに、どうして知り合えたのかを。カイは軽く笑って、“あんな昔のことなんて、もうとっくに忘れたよ。”と。その時どうして“私のことも忘れるのじゃかいか”と気付かなかったんだろう。今となってはもう気にする必要もない。
      すべてが遅かったのだ。
      この暮らしは、この親密な関係は、きっと永遠に続くものだと思っていた。約束がなくても、保証がなくてもそう信じていた。信じたかった。でも疲れてしまった。自分に大丈夫を言い続けることにも、何回自分に大丈夫を言い聞かせたか数えることにも。
      カイは変わらない。死ぬまで変わらない。
      目の前のビールを一気飲みして、目を瞑る。飲んだ酒だけ涙が出てくれば、少しは楽になるだろうか?
      ケンはそっとかわりの酒を私の目の前に置いた。濃厚なトマトカンパニー。トマト入りのカクテルを勧めるのは、もうこれ以上飲むなという意味が込められている。胸に空いた穴をアルコールで埋めようにも、やはりここでは勝手にさせてはくれない。
      今日ぐらいいいじゃないか!!私は叫びそうになって、ケンを睨もうと、重い頭を起こす。瞼がジャマをして、目の焦点がうまく合わない。平日の夜というのに、オナーのケンが自らバーに立つのは久しぶりに見た気がする。無口なケン。やはり心配をかけてしまったんだろうか。ちょっとだけ反省し赤い液体を口に運ぶ。
      さすがケンが作ったカクテル。自然な甘みとすっきりした酸味が心地よく亀裂が入っている心に染み渡る。ケンは向かいの客に何か難しそうな酒を作っている。すっらりとした背中。天井に高く掲げているカラフルな照明が、彼の黒い影をどこまでも延ばす。真剣な横顔が一瞬目を擦った。いい男だ。多分誰の目に映っても。
      カイが少しでもケンのまじめさがあれば、自分はこんなに苦しくならずに済んだのかもしれない。苦笑いが胃の中に溜めた酒とともに溢れそうになって、私は慌てて両手で口を押さえた。
      音楽がいつの間にかバラードに変わり、熱気が一気に落ち着き、ねっとりと沈む。ここはカイと出会った場所、カイが好きで飲んでたお酒、カイと笑ったくだらない話が耳の奥でメロディーと一緒に響く。“お前はいつまでカイの面影を求めれば気が済むの!”枯れた叫びがどこまでもつきまとってきて、空気中酸素だけが抜かれたように呼吸が詰まってうまくできない。
      もうたくさんだ!!
      私は万札をグラスの下に挟み、逃げるように店を出た。

      ケンの店は小さいながら、市内の一等地に構えている。ただ大通りから一本入った路地にあるため、すぐに騒がしい車や人ゴミに出くわすことはない。これだけでも少し救われた気がした。
      私はいつそんな人間になった?
      弱くて反吐が出る。
      “待ってくれ!”店の奥から追っかけてくる足音がして、私を少し驚かせた。いつも冷静で、静かに微笑むケンからの焦っているような声。
      “平気?”
      “へへ、何言ってるの?大丈夫に決まってるじゃない。今更だよ”強がってみたものの、顔が強ばて、真っすぐに注がれる視線から逃れることも、ごまかすこともできずに、その場に立ちすくんだ。
      ほんの一瞬。
      気付いたら、私はケンの腕の中にいる。手を引かれて、強く抱きしめられた。
      “俺は口べただから、こんな時に何を言えばいいか、分からないが、泣きたい時はいつでも俺のところに来い!何度でもこうしてやるから。”
      思考が止んだ。
      体中に染み込んでいる淋しさも、悲しみも、悔しさも、思い出も、何もかも一瞬にして涙に変わり、追いかけられているようにこぼれ落ちてくる。
      声を押し殺すこともできずに、ケンの服を必死に掴み、全身を震わせながら、子供みたいにワンワン泣いた。何も言わずに背中をさすってくれたケンの大きな手のひらは、いつまでも暖かかくて、まるで自分自身も忘れかけている体の奥の奥に押し込んでいた泥まみれで、陰湿で、真っ暗な感情までも引きずり出され、日向に干しているような気持ちになる。ケンの生温い体温は、私と世界との唯一の繋がりのような錯覚さえ覚えた。
      なぜ涙が出てくるのか。なぜ出てこなかったのか。強がる余裕なんて、もうとっくに残ってなかったんだ。
      どれぐらいの時間がすぎたか、泣き疲れて全身の力が抜けたと思った途端、自分がケンに体を預けたまま、店の前にいることにようやく気がつく。
      恥ずかしさが一気に脳天を直撃して、“ごめん!”と思わず音を上げ、反射的にケンを押し退けようとした。でも私はケンの腕の中ですっぽりと収まって、ちっとも動くことができなかった。困惑し、重い頭を起こして腫らした目を凝らしながら、ケンの顔をのぞき込む。
      目が合った。
      暗い街灯を背に、ケンの柔らかい眼差しが何となく伝わってくる。涙でぐちゃぐちゃになっている自分の顔が映っているような気がして、恥ずかしさが余計に激しく心臓を叩く。冷たい夜風が彼の髪を撫でるように通り抜け、少し長めの毛先で複雑な曲線を描いていく。風の通り道に一束の光が侵入し、ケンの耳が少し赤くなっていたことが分かった。
      “ケン、ごめん、私...”
      “何も言わなくていい、分かってる。”そう言ってケンの手が少し震えているように思えた。
      “待っててもいいか?” 腕の力を少し緩め、チェロのような低く沈んでいるトーンで呟いた。
      “でもケン、私は...”
      “それでも待ってるから!”言葉が遮られ、うろたえる私をもう一度固く胸に押し付けた。力強い腕と心臓の鼓動が何とも言えない安心感とともに伝わってくる。全身の力が抜けて、私はまた泣きそうになった。
      ケンの手はもう震えてはいなかった。
      “ケン、今夜だけでいい、バラードをやめてくれないか?”ケンの胸に顔を少し擦り付けて、自分さえも聞こえないような声で小さく言った。
      “うん。”頭ごと優しく抱きしめられて、ケンが答えた。

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